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◆袴田さん事件に思う

今日のTBS「報道特集」で袴田さんの冤罪を取り上げていました。

どう見ても証拠が捏造されたことは明白で、ありもない自白を強要され、冤罪を擦り付けられた袴田さんの辛さは、想像を絶するものだったでしょう。

今後、袴田さんの名誉を回復するような状況になったとしても、この冤罪のおかげでめちゃくちゃになった袴田さんの人生を取り戻すことはできません。

権力のある者は、その権力を正しく使うことをしっかりと考えなければなりません。
間違って使うことで、多くの冤罪を生み、多くの方が苦しんでいます。
その方々の、失われた時間を取り戻すことはできないのです。

検察・警察は猛省し、もっと緊張感を持ってほしいです。
でも、権力を濫用して何だそれ?みたいなこと結構やってますから、言うだけ無駄なのかもしれません。

まぁ、身近なところでも、権力があると勘違いして威張りくさってるおバカな上司など、たくさんいますからねぇ。
困ったもんです。

そして、問題はもう一つ、この事件はもっと取り上げられるべきだと思いますが、報道特集ぐらいですね。

一日中どうでもいいWBCの話題ばかりやっています。
侍ジャパンがアメリカ到着とか、かなりの野球ファンでも気にしないようなことを延々と流しています。
野球のニュースさえ流していれば視聴者が食いつくとでも思っているのでしょうか。
TV局の制作者さんたちは、ずいぶんと熱心な野球ファンが多いんですね、きっと。
これじゃあTVのレベルが落ちたと言われても、マスゴミと言われても、関係者は文句を言えないでしょう。

スポーツ放送も、いまやネットの方が充実してますし、そのうちTVなんて誰も見なくなる時代が来るのかもしれないと、ふと思いました。


◆4/8はW世界戦ほか好カード目白押し、でも記者会見が…。

 4/8の興行に関しては、ポスターもいかがなものかと思いましたが、これに輪をかけて記者会見が酷かったですね。

那須川の注目度が高いとはいえ、那須川を中央に据え、記者の質問は殆ど那須川に対するもので、拳四朗に那須川の事を質問するという暴挙に出た記者もいました。
本人の意思とは関係なく、人気者はいじれるだけいじり倒す消耗品扱いですし、それ以外の出席者に対しては敬意のかけらもない失礼極まりない質問。
マスゴミと言われるのも当然で、その本領が充分に発揮された記者会見でした。



先日も、中学生の長距離ランナーの過熱報道が問題になりましたが、相手の状況などはお構いなし。
過去にも、震災の被災者の方々が食べるものに困っている状況の中で取材陣がコンビニの数少ないお弁当を買い占めたとか、ガソリンが不足しているのにガソリンスタンドには取材陣の車が長蛇の列を作っていたとか、土砂崩れの被災地で、救助犬がかすかな物音や声を頼りに生き埋めになっている人を探しているときに、取材ヘリが上空を轟音立てて飛び回り邪魔をしたなんてこともありました。

このような迷惑極まりない取材の在り方については、ことあるごとに不愉快に感じますし、このような姿勢で取材したニュースには共感できません。
まさか、このような、人の迷惑顧みず、ずかずかと土足で上がり込むような好き勝手で無神経極まりない取材のしかたを「報道の自由」などとは言わないでしょうね。

記者会見では、他の出場者が「那須川が出るということで大きな注目を集める大会に出場でき光栄。いい試合を見せて自分の存在を示したい。」と、静かに闘志を燃やし大人のコメントをしてくれていたのが救いです。

那須川がボクシングに転向することになったときに、「井上尚弥に今すぐでも勝てる」みたいな鼻息の荒い那須川ファンのコメントを多く見かけましたが、さすがにそれはないと思いますし、相手が日本バンタム級4位の与那覇ですから、那須川が負ける可能性もあると思います。
もし、そうなったら、マスコミはサーッと引いていくのでしょうね、おそらく。


◆4/8はW世界戦ほか好カード目白押し、でもポスターが…。

4/8は、寺地拳四朗の3団体統一戦、井上拓真の世界戦、阿部麗也の世界王座挑戦者決定戦、佐々木尽 vs. 小原佳太、さらにキックで絶大な人気と実力を誇った那須川天心のボクシング転向第1戦と、注目のカードが目白押しです。

非常に楽しみではあるのですが、このポスターには違和感を覚えました。 

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人気のある那須川を目立たせれば観客も増え興行は大成功するわけですから、大人の事情としては理解できます。
ただ、デビュー戦の新人が大きく中央に写ったポスターを作りますかねぇ。
客を呼ぶためには何でもありというわけではないと思うのですが…。
ボクシングファンだけでなく、天心ファンでも「さすがに、これは…」と思うのではないでしょうか。

以前、WBO世界フライ級王者の木村翔に田中恒成が挑戦したときも、ヘンテコなポスター作ってたなと思い出しました。



ボクシング業界には、これで良いのかと問いたいですね。
別の場所で作り上げてきた那須川の人気に乗っかるのは、あまりに安易で節操がなく見えますし、他のボクサーに失礼なことをボクシング界自らがやってはいけないのではないかと思います。

那須川がキックの王者の地位を捨ててボクシング界に飛び込んできた心意気を買うならば、分相応に扱ってあげる方が良いと思います。
大人の事情が見え見えの打算の産物には那須川本人も困惑するのではないかと思いますし、他のボクサーにとっても決して愉快なものではないような気がします。

キックボクシングが生み出した那須川のスター性は、実力に加え、宣伝や演出のうまさが奏功したものと思います。
そして、その那須川がボクシングに転向すれば、ボクシングでどこまで行けるのかおおいに注目され、ボクシングの人気も高まるので、私を含めボクシングファンの多くは歓迎ムードだろうと思います。

しかし、人気者に乗っかるだけだと、この興行は成功しても、ボクシングファンはしらけてしまい、長期的にはボクシング業界にとっては得策とは言えないと思います。
ボクシング業界は、那須川の人気に甘えるのではなく、この点についてもっと深く掘り下げ、今後に活かしていくべきだと思います。

きれいごとばかりを言うつもりはありませんが、今回の興行では、普通に、拳四朗の3団体統一戦をメインにするべきではないかと思います。
個人的には、那須川がトリで出てくるのはさすがにやめてほしいと思いますし、ボクシング界もそのぐらいはプライドを持って、メインは拳四朗、セミは拓真、天心はせいぜいその前くらいにしてほしいところです。

日本国内では那須川の人気はものすごいようですが、海外では、当然ですが、拳四朗や拓真のタイトルマッチの話題が主です。
もし那須川がトリで登場となれば、海外からは、日本のボクシング業界は試合の順番すらわからないのかと言われそうです。

ただ、こんなこと書くと、那須川ファンから、ボクシングファンのひがみと言われそうですが…。

最後に、このような状況になったのは那須川本人のせいではありませんから、那須川に対する筋違いのバッシングがないことを祈りますし、周囲は、那須川が実力を存分に発揮できるストレスのない環境を作ってあげてほしいと思います。

◆井上尚弥、4団体統一戦まであと5日

2022.12.13
WBA(super)・WBC・IBF・WBO世界バンタム級タイトルマッチ


WBA(super)・WBC・IBF王者 井上 尚弥
23戦全勝〈20KO〉
vs.
WBO王者 ポール・バトラー(英国)
34勝〈15KO〉2敗

世紀の一戦まで、あと5日。
4団体統一の偉業達成なるかという試合だけに、普段はボクシングにあまり注目しない新聞やTVでも取り上げられ始めており、ムードが高まってきました。

それでも、WorldCupサッカーで、日本が決勝まで進んだというのならまだしも、一次リーグの試合で報道が異常なほど過熱していたのに比べて、日本ボクシング史に残る一戦でありながら扱いが小さくてちょっと悔しいと思うのは、ボクシングファンのひがみなのでしょうかね…。


ここで、井上がどれだけ凄い実績を積み重ねてきたのか、確認しておこうと思います。

井上は、2014年4月にアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を破りWBC世界ライトフライ級王座を獲得、1度防衛後返上。

同年12月に、2階級上げてWBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に挑戦、衝撃の2RKO勝利で王座獲得。7度防衛し返上。

2018年5月に、WBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)に1RTKO勝利で王座獲得。

同年10月に、WBSS1回戦でフアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に1RKO勝利で初防衛に成功し、WBSS準決勝に進出。

2019年5月、WBSS準決勝で、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に2RKO勝利、 IBF王座を獲得するとともにWBSS決勝に進出。

同年11月にWBSS決勝でWBA(super)王者ノニト・ドネア(フィリピン)に勝利、WBSS優勝。

その後、ジェイソン・マロニー(オーストラリア)、マイケル・ダスマリナス(フィリピン)、 アラン・ディパエン(タイ)を相手に防衛を重ね、2022年6月に、WBC王者ノニト・ドネアに2RTKO勝利し3団体統一。

世界戦は18連勝〈16KO〉中で、そのうち世界王者への挑戦もしくは統一戦が6試合。
ドネアとの初戦で苦戦した以外は、圧倒的な内容で勝利を重ねてきました。

世界戦を多く戦っている井岡一翔と比べてみると、井岡は世界戦22試合で、20勝〈10KO〉2敗。
世界王者への挑戦もしくは統一戦が2試合。

井岡も素晴らしい戦績ですが、 相手のレベルや試合内容、結果を見ると、いかに井上が凄いボクサーかが改めてわかります。

呆れるほどの強さを見せ続けてきた井上が期待通り4団体統一を達成できるか、ワクワクが止まりません。


◆ペテ・アポリナル vs. 武居由樹、レフェリーストップは早すぎたのか?

2022.08.26
OPBFスーパーバンタム級タイトルマッチ

王者 ペテ・アポリナル
 vs. 
挑戦者 14位 武居 由樹


5RTKOで武居が勝利、王座獲得。


5R、打ち合いから武居に押されるような感じでアポリナルが少しよろけて後退したときにレフェリーストップとなりましたが、パンチがクリーンヒットして後退したわけではなかったので、レフェリーがアポリナルを抱きかかえたときに、「なぜ止めた?」と思った方も多いでしょう。

このレフェリーストップに対し、ネットでは、「ストップ早すぎ」「もう少し見たかった」「アポリナルはまだ戦えた」という反応が多く、さらに口汚くレフェリーを非難するコメントもありました。

はたして、そうなのでしょうか?

確かに、試合が止まった瞬間は「あれっ?」と思いました。

アポリナルは非常にタフで、武居の強烈なパンチを浴び3度のダウンを喫しながらも、それほどダメージを感じさせない動きで反撃しており、まだパンチに力があり充分戦える状態に見えました。

アポリナルにとっても、おそらく納得のいかないストップだったでしょう。

ただ、3度のダウンでダメージは当然蓄積しており、武居の強烈なパンチをすぐそばで見ているレフェリーは、アポリナルがピンチに陥ったらすぐ止める気持ちだったのだと思います。

たまたま、アポリナルがよろけたのがパンチのクリーンヒットでなかったので、止めたタイミングについていろいろ言われていますが、決して早すぎるストップではなかったと思います。

アポリナルの今後を考えると、本当であれば3回目のダウンで止めても良かったと思うくらいですが、アポリナルがタフでしっかりしていたので続行となりましたし、そのあたりの見極めはリングの外からでは分からないですね。


近年は、リング禍防止の観点から、レフェリーは積極的にストップするようになりました。
特に、ダウンシーンでなくとも、ダメージの蓄積を見て止めることも増えてきました。

もし、レフェリーのストップが少しでも遅れたら、その後の長い人生に支障をきたす悲劇を招きかねないパンチを受けるかもしれず、ボクサーにとってその代償は小さいものではありません。

スポーツである以上、レフェリーは、勝負が決したと判断できる状況であれば、速やかに試合をストップすることに躊躇があってはいけないと思います。

観客あってのプロスポーツという側面との狭間で、観客が多少消化不良であってもストップするのは実に勇気のいる判断であろうと思いますが、レフェリーの躊躇のあとに残るのは、反撃する意思を失った相手に必要以上の一撃を与え、そのことで一生精神的な傷を負うかもしれない勝者と、その一撃を浴び崩れ落ち、おそらくはその後輝きを失ってしまうだろう敗者です。

まだストップが遅かった時代に活躍した名レフェリーのリチャード・スティールは、"No fight is worth a man's life"『人の命より価値のある試合はない。』として、ストップが早いと批判されても曲げずに信念を貫きました。

また、かの名トレーナー、エディ・タウンゼントもタオルの投入が早いと言われましたが、彼は毅然として、「ボクシングを辞めた後の人生の方が長い。無事に家に帰してあげるのも私の仕事である。」と語っています。

KOシーンはボクシングの醍醐味の一つですが、不必要な攻撃の先にある残酷なKOはあってはいけないと思いますので、今回のネットの反応にはかなり違和感を覚えます。

管理人:ボクヲタおやじ
輪島功一、大場政夫、具志堅用高…。少年時代に往年の名ボクサーをテレビで見て、胸が熱くなりました。以来40年以上ボクシングヲタクです。
過去の名勝負なども取り上げていこうと思います。
おことわり
※ 選手名等は敬称略とさせていただいております。
あしからずご了承ください。

※ 記載内容に誤りなどありましたら、遠慮なくご指摘ください。
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