日本ボクシングコミッション(JBC)が、2014年に亀田ジムの会長とマネジャーのライセンス更新をしないとした処分により、亀田3兄弟が国内で試合ができなくなったことについて、この処分を不当として、亀田家側が6億円余りの損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が、2月24日に出ました。

ほぼ、亀田家の完全勝利。
賠償金は、一審の2倍以上となる約1億円。
不当な処分の影響で試合ができなくなり損失を被った期間を、一審より長く算定したものと思われます。

興毅は、「すべて気持ちが晴れるわけでもない。苦しいこの期間、よくここまで負けずに戦ってこれた。今日は勝利宣言と言えるのではないか」とコメント。


そもそも、この裁判のきっかけになったのは、大毅の「負けても王座保持問題」。
2013年12月、IBF世界スーパーフライ級王者の大毅とWBA王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)の王座統一戦で、ソリスが体重超過し王座剥奪。
試合に先立ち、大毅が負けたらIBF王座は空位となるとされていました。
しかし、ソリスは既に王者ではなく統一戦とはならないため、大毅の王座は負けても保持が当然だろうと私は思っていたので、疑問を感じました。
試合の結果は、ソリスが判定勝利。
その後、IBFの立会人が、負けても王座保持と発言し、混乱に拍車をかけました。
この混乱は、JBC、IBF、亀田家サイドの、ルールに関しての連絡調整不足が原因にもかかわらず、JBCは亀田家側に混乱の責任を転嫁し、事実上の国外追放となる処分を下します。

振り返ってみると、当時の世論や報道は、ほぼ亀田バッシング一色に近い状況でした。
ソリス戦のトラブルは、ソリスの体重超過が問題であって、大毅は被害者のはずなのですが、負けても王座保持だけが独り歩き。
TVは、亀田家が非常に悪いことをしたかのような姿勢で、ワイドショーなどに父親を出演させ、大勢の口達者な芸能人コメンテイターと感情むき出しの論争をさせてみたり、「負けても王座保持って、どう思いますか?」「それは、おかしいですよね」みたいな街頭インタビューを垂れ流し、亀田家のイメージは更に悪くなっていきました。

ルイス・ネリーが、山中慎介との2試合でドーピング疑惑や体重超過をしたことについて、自分を含め、許せない気持ちでいる方も多いとは思いますが、なぜ、大毅 vs. ソリスの時は、ソリスがあまり非難されなかったのでしょうか。
おそらく、ボクシングのルールを良く知らない報道機関が、亀田家バッシングの流れに悪乗りし、負けた大毅が王座保持はおかしいという部分だけを上手に切り取って報道したことが要因ではないかと思います。

亀田家が過去に問題を起こしたからといって、 報道機関が事実を亀田家に不利な方向に都合よく歪曲して良いということにはなりません。
報道機関のやったことは、単なる弱い者いじめや冤罪に近い行為で、内藤戦まではさんざんちやほやしておきながら、あまりの掌の返しように、報道機関としての矜持を感じませんでした。
報道機関は、しっかりと事実関係を整理し、正しく全体像を伝えるべきであったと思いますが、亀田バッシングを更に煽るかのような論調に終始。
もう、報道機関に、正義とか公正さとかを求めてはいけないのだなと思いましたね。

JBCは、これを追い風に、必要以上に亀田家を排除しようとし、結果として悪乗りしすぎだったということになりました。


亀田家とJBCに関しては、2013年9月に行われた大毅とロドリゴ・ゲレーロ(メキシコ)とのIBF世界スーパーフライ級王者決定戦で、亀田家側とJBCの間に、試合で使用するグローブを巡って意見が食い違うトラブルがあり、JBC職員が、「亀田兄弟に監禁され、恫喝されて暴行された」と狂言騒ぎを起こし、某フリーライターがデマ記事を書いた事件がありました。  

この事件は、亀田家側が事実無根であるとして名誉棄損で訴え、その模様が撮影されていたため、録画映像を基に検証され、デマをまき散らしたJBC職員と某フリーライターが敗訴。

2007年10月にWBC世界フライ級王者の内藤大助に大毅が挑戦した試合での悪質な反則行為や、インターバルに興毅や父親がそれを指示していたことが明らかとなって以降、亀田家のイメージは良くありませんでした。

その状況下での監禁・暴行疑惑ですから、ほとんどの報道は「あの亀田家が、またしでかした」的な論調で批判しました。
でっち上げであることは録画映像を確認すればすぐわかったのではないかと思うのですが…。

このこともあって、JBCは亀田家を苦々しく思っており、負けても王座保持問題で、ここぞとばかり排除しようとしたのでしょうか…。
亀田家への処分は、そこまでする必要があるのかと思うもので、結果、JBCは当然のごとく、不当な処分をしたとして敗訴となりました。


勝訴した亀田家は、名誉は回復できたかもしれませんが、お金には代えられない貴重な時間が失われ、そしてその期間のさまざまなバッシング等による苦しみが晴れることはないでしょう。
JBCは、この重大な事実をしっかりと受け止め、猛省してほしいと思います。

判決を受けて、亀田家代理人の北村晴男弁護士は、「JBCは、反省し、コンプライアンスを確立するなど1ミリもしてこなかった」と厳しく批判。
また、興毅は、処分の後、大金を投資したジムの閉鎖や、負担の大きい海外試合が続いたことを「苦しかった」と振り返り、「亀田兄弟と同じような思いをするボクサーが出ないよう、JBCは公平性を保ち、しっかり機能する組織になることを強く望む」と訴えました。

JBCがなくなると非常に困るわけですが、一昨年の井岡一翔のドーピング疑惑を巡っても、なんだかグダグダな対応で、JBCが組織として非常にお粗末であることを露呈しましたから、あまり期待はできないかもしれません。
こんな組織だとボクサーのためにならないような気がします。
体制を刷新し、一から出直すぐらいの覚悟がなければならないだろうと思います。

また、亀田家に対して否定的な論調で正確さを欠く情報を世間にばらまいた報道機関は、間接的であってもJBCと同罪で、猛省すべきと思いますが、今回の判決に関する報道では、ずいぶんと客観的な感じのあっさりした記事が多いような印象で、経緯をしっかりと検証し、報道のあり方としても反省すべき点がおおいにあったという内容は見かけません。

当時、事実関係を正確に確認することなく、亀田バッシングを必要以上に煽ったわけですから、ばつが悪いんでしょうけど、潔くないですね。
報道機関は、自分たちに都合の悪いことを包み隠し、そーっとやり過ごそうとしているような気がします。
こんな姿勢で、公正で信頼される情報を発信できるのかは非常に疑問です。


 
亀田家の事を快く思わない方は、今回の件も、いろいろと理由をつけて亀田家を非難し続けるのかもしれませんが、法廷の場で亀田家を支持する判断が下されたわけですから、いくら自分が好まない相手であっても、事実関係をしっかりと確認せずにいたずらに感情的な批判を続けることは、そろそろやめにしませんかと言いたいです。

興毅が言ったように、JBCがこのようなことを二度と起こさず、ボクサーから信頼される公正な組織になってほしいと思いますが、今後、どのようになっていくでしょうか。
組織としての自浄能力があるのかどうかが問われますが、請求額よりは少ないとはいえ賠償金は高額で、裁判続きで台所が火の車のJBCが払える金額ではなく、JBCの存続そのものが危うくなっています。
この状況を、JBCはどのように乗り越えていくのでしょうか。
ボクシング業界のためにも、しっかりと立ち直ってくれることを期待したいところです。







 
 
 

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