先日、WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネアがWBO王者ジョンリエル・カシメロとの統一戦をキャンセルしたニュースが伝わり、ボクシングファンをがっかりさせました。

超ざっくり言えば、当初カシメロがVADAの薬物検査を拒否する姿勢で、ドネア陣営がVADA(ボランティア・アンチドーピング協会)への登録に関する書類提出をカシメロ陣営に再三求めたにもかかわらず対応しなかったことをドネアのマネージャーである妻レイチェルが批判、「ルールに従わない場合は試合をしない」意向を示したことで、カシメロ陣営は5日間も遅れてようやく書類提出。

この対応でドネア陣営は不信感を持ったこと、また、カシメロ陣営からレイチェルに対し許しがたい侮辱的な言動があったことが、試合をキャンセルした理由のようです。

カシメロ陣営は、かなりクロに近いグレーな対応だったにもかかわらず、「ちゃんと書類提出した」と開き直り、「ドネアは逃げた」みたいなことを言っているようです。

また、「カシメロ君はもう大口を叩く事はないでしょう。ドーピング検査を回避する奴に資格などねぇ。。お疲れでした」とツイートした井上尚弥に対し、カシメロが所属するMPプロモーションズのプロモーター、ショーン・ギボンズが「ドネアのように逃げていろ」等と口汚く反論。

これに対し、ドネアが「王者ナオヤ・イノウエを侮辱している。ボクシング界から排除されなければいけない。」、ドネアのマネージャーの妻レイチェルも「これは醜い。呆れてものが言えない」と反応。

なんだか、カシメロとその周りの人たちの言葉には、知性や理性を感じませんねぇ。
ドネアやレイチェルが、カンカンに怒っている動画を観ましたが、当然でしょう。

ここまで人を怒らせる才能がずば抜けている人達もなかなかいないのではと思います。
もう、こんな大人気ない連中をまともに相手にするのも馬鹿馬鹿しい気がします。



ドーピング疑惑に関しては、2018年12月、マニー・パッキャオ戦でファン・マヌエル・マルケスがかなり疑われたのが有名です。

検査ではシロだったにもかかわらず、これまでよりはるかにビルドアップされたマルケスに対し疑惑の目が向けられました。

疑われた理由が、過去にドーピング薬物の売買をし、多くのスポーツ選手に運動能力強化薬物を提供していた事件への関与が疑われた『ドーピングのプロ』、アンヘル・ギレルモ・ヘレディアがマルケス陣営にいたことでした。

そして、ヘレディアは、今カシメロ陣営にいます。
そりゃ、今回のような対応をすれば疑われるに決まっています。

結局、ドネアから試合をキャンセルされたカシメロは、ドネアに割り込まれる前の当初の相手、ギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)と対戦する模様です。

リゴンドウはSNSで、自身のリング上での写真を載せ「ここはステロイド禁止ゾーン」と発信しました。
リゴンドウは、五輪で厳しいドーピングを経験していますから、ドーピングに関してはかなり厳しい見方をしているとは思いますが、試合枯れしてますからやらざるをえないのでしょうか…。
カシメロは、かなり怪しい感じですが対応はしたようですので問題はないかもしれませんが、リゴンドウは不安でしょうね…。



ただ、今回のような騒動が起こったのも、ドーピングへの対応が遅れているからでしょう。

ドーピングに関しては、WBCはVADAと協力し「クリーン・ボクシング・プログラム」を推進していますが、いまひとつあやふやなかんじですし、他団体の動きは鈍い状況です。
本気で調べたら結構ヤバいからなのか…。

経費の面等を考えると、全てのボクサーに検査を義務付けることは現実的ではないのかもしれませんが、公平かつクリーンでなければ、ファンは離れてしまいます。

ドーピングは、いくら検査の能力を高めても次の薬物が開発されてしまうイタチごっこで、おそらくは、 完全にクリーンな状況になることは困難な根が深い問題だと思いますが、放っておくとどんどん薬物汚染が進むことは間違いないでしょうから、それを食い止める努力を各団体はすべきでしょうね。







 
 
 

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