グローブ 50 2020.12.31
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ

王 者 井岡 一翔(31)
25勝〈14KO〉2敗
vs.
挑戦者 1位 田中 恒成(25)
15戦全勝〈9KO〉

4階級王者の井岡に、4階級制覇を狙う田中。
日本ボクシング史上屈指のビッグマッチ。

開始から積極的に攻撃する田中、下がらずに応戦する井岡。
パンチのスピードは田中、パンチが重いのは井岡か。

お互いのパンチが当たる危険な距離でのジャブの差し合い。
お互い一歩も引かない激しい打ち合いが続く。

試合は5Rに大きく動く。
井岡の狙いすましたカウンターが炸裂、田中がダウン。

6R、井岡が再びダウンを奪うが、田中が猛反撃し気持ちの強さを見せる。
8R、井岡のパンチがクリーンヒット、田中がふらついたのを見て、レフェリーがストップ。

公式の採点が4Rまで井岡39-37,38-38,38-38だったのは、ちょっと意外でした。
解説の内山高志も、4Rまでは「やや田中」と言っており、私も4Rまでは田中のスピードがやや上回っていてクリーンヒットも多く見えましたが…。
私の採点 (→採点方法はこちら)は、
無題



勝負を決めたのは、やはりディフェンスの差でしょうか。
井岡は、田中のスピードに苦しみながらも徐々に対応、田中のディフェンスのわずかな隙を逃さず見事なカウンターで田中に勝利しました。
田中のパンチをかなり受けましたが、決定打は許しませんでした。

序盤は、見ている側が呼吸するのも忘れるような、どちらが倒れてもおかしくない緊張感のある打ち合いでした。
ボクシング大国の英国でも生中継された注目度の非常に高い試合でしたが、英国のボクシングファンを十分に満足させる内容だったと思います。
素晴らしい戦いを見せてくれた両者にあっぱれです。
appare 3




井岡は、最強の挑戦者であり世界的に評価の高かった田中に勝利したことで、注目度が高まっていくと思われます。
次戦は、WBAスーパー王者ローマン・ゴンサレス vs. WBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダの勝者との対戦を希望していますが、どうなっていくでしょうか。
今後の動向が気になるところです。

田中は、結果はKOで敗れましたが、序盤は素晴らしいスピードで井岡を苦しめ、ほぼ互角の戦いでした。
ぜひ再起に期待したいところです。

両者の激しい打撃戦も素晴らしかったですが、もう一つ素晴らしかったのはレフェリーが試合を止めたタイミングですね。
試合を止めてレフェリーが抱きかかえた時の田中をふらつき方を見ると、もしストップが遅れてもう一発井岡のパンチが入っていればかなり危なかったと思いました。  
レフェリーの的確な判断にもあっぱれです。







 
 
 

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