昨日行われたWBA世界ライトフライ級タイトルマッチは、京口紘人が判定で久田哲也に勝利し、防衛を果たしました。

京口のパワーが上回り、早いラウンドでのKOもあるかと思われた試合。
しかし、試合が始まってみると互角の打ち合いで、2Rには京口の膝が揺れる予想外の展開。
最後まで壮絶な打ち合いを繰り広げました。

紆余曲折の末に日本人で最も遅い46戦目での世界挑戦にたどり着いた久田の意気込みは並々ならぬものがあったでしょう。
久田の勝利への執念が、TV解説の長谷川穂積氏が「もうすぐ35歳でできるボクシングではない。」と驚いた激しい打撃戦を可能にしたのかもしれません。

8Rまでの公式の採点は1-0(77-75,76-76,76-76)で京口リードと僅差だっただけに、久田にとっては9Rのダウンが悔やまれます。

最後に勝負を分けたのは、戦前予想されたパワーの差ではなく、スタミナの差でした。
京口は、久田の攻撃に苦しみながらも、最後までパンチを出し続けました。

京口は、「自分の中でいいキャリアになった。強い選手だった」。
一方、敗れた久田は、引退をほのめかしつつ、「めっちゃしんどかったけど、最後まで諦めんでやれた。やっぱりチャンピオンは強かった。」



マスコミの扱いは残念ながら大きくはありませんが、ボクシングファンの間では長く語り継がれる名勝負であったと思います。

日本人対決では、これまで、辰吉丈一郎vs薬師寺保栄、井岡一翔vs八重樫東、田中恒成vs木村翔などの名勝負がありますが、この試合も、その一つに数えて良いでしょう。

京口は、他団体との王座統一戦を視野に入れながら、「ファンに期待される試合が実現できるよう、もっともっと努力するだけ」「もっと上に行くのが自分に課されていることだと思う」と、謙虚で前向きな発言。

昨日の一戦は予想以上の苦戦でしたが、これを糧に更に強い王者になっていくことを期待したいところです。

敗れたはしたものの、強打の京口と果敢に打ち合った久田は、家族の皆さんには「とてもかっこいいパパ」に見えたのではないでしょうか。
年齢を考えると最初にして最後になるかもしれない世界挑戦で、驚くほどの輝きを見せてくれました。

ボクシングファンで良かったと思う素晴らしい試合を見せてくれた両者に感謝。







 
 
 

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