2013.08.25
日本ライトフライ級タイトルマッチ
王者 田口 良一
vs
挑戦者 井上 尚弥



田口 良一(26)
これまでの戦績:18勝(8KO)1敗1引分
2012.03.12 日本ライトフライ級王者黒田雅之に挑戦、1-1(95-96,96-95,95-95) で引分、王座獲得ならず。
2012.05 プロデビュー前の井上尚弥とスパーリングを行い、圧倒される。
2013.04.03 黒田が王座返上したため、知念勇樹と日本ライトフライ級王座決定戦。3-0(99-92,98-92,97-93)で勝利、王座獲得。

田口は、井上とのスパーリングは、黒田戦を終えあまり体を動かしていない時期だったとはいえ、「あんなに衝撃があるパンチはもらったことがなかったので驚いた。」が、「井上から逃げたと思われるのは絶対に嫌」と、また、「しっかり鍛えて状態を上げれば勝機はある」と、井上との対戦を熱望。
この試合が初防衛戦。


井上 尚弥(20)
これまでの戦績:3戦全勝(3KO)
日本ボクシング史上初の高校7冠を達成。
ロンドン五輪を目指したが、予選の決勝で敗れ出場を逃がしプロ転向。
アマチュア戦績は75勝(48KO/RSC)6敗。
「弱いボクサーとは戦わない」ことを条件に、大橋ジムと契約しプロデビュー。
この試合で、辰吉丈一郎以来23年ぶりの4戦目での日本王座獲得を目指す。



田口が、「自分と試合をしたときとは比べものにならないくらい強くなっている。」と言っているとおり、階級を上げるに従い減量苦から解放され、今では桁外れのパンチ力で豪快なKOを連発し、世界的にも評価が上がっている今の井上が、試合当時よりも数段強くなっていることは明らかでしょう。

しかし、当時の井上も相当に強かったはずです。
アマチュアで輝かしい実績を残し、鳴り物入りでプロに転向し3連続KO勝利を飾っていた井上は、今のような超の付く圧倒的なパワーではなくとも、相当な破壊力だったことは間違いありません。

戦前予想は、井上断然有利。

試合の模様はこちら。↓


1~2Rは、様子を見つつも井上が強打を振るうが、田口の動きも非常に良い。
3R、井上がボディを交え始め、優勢に試合を進め始める。
その後も、田口は、井上の強烈なパンチにひるむことなく前進するが、カウンターで返す井上。
中盤以降、井上は田口の前進にも後退せず、上下に強打を当てる。
田口がこつこつ攻めても、一発で印象をひっくり返してしまう井上の強打は、まさに「monster」、 その強打を再三浴びても倒れない田口も素晴らしかった。

井上がパンチのパワー、スピード、正確さで上回り、ほぼフルマークの内容だったが、田口が井上の強打に相当ダメージを受けながらも素晴らしい気迫を見せ、最後まで激しい打ち合いとなった。

公式の採点は、3-0(98-92,98-93,97-94)
私の採点は、
無題



私の採点方法はこちら



この試合は、井上にとって最も苦戦した試合かもしれません。

井上がこれまでの18戦の中でKO勝利できなかったのは、ダビド・カルモナ(メキシコ)と田口ですが、カルモナ戦の最終ラウンドはレフェリーがなぜ止めないのかという内容でしたから、試合終了のゴングが鳴ってしっかり立っていたのは、実質、田口一人と言えるでしょう。

井上が、クリーンヒットではなくても、これほどパンチを当てられた試合は無いと思いますし、圧倒的不利の予想のなか、田口の健闘が光りました。

勝者の井上だけでなく、敗者の田口にも惜しみない拍手が送られた、素晴らしい試合でした。

井上は、辰吉丈一郎以来、4戦目での日本王座獲得となりましたが、この時点では、オマール・ナルバエス(アルゼンチン)やファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を瞬殺しパウンド・フォー・パウンドのランキング上位に入るほどのSuper Monsterに成長するとは、さすがに想像できませんでした。

田口は、日本王座の初防衛に失敗しましたが、井上から逃げず勇敢に戦った心意気は素晴らしく、敗れても評価は高まりました。

田口自身も、井上と戦いを糧に、その後の試合を「相手は井上君より強いはずはないから大丈夫」と自信を持って戦い、WBA・IBF2団体統一王者に成長して行くことになります。





 
 
 
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