1971.07.29
WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
王者 小林 弘
vs 
挑戦者 アルフレド・マルカノ(ベネズエラ)


「名勝負№37」で、The Ring MagazineのUpset of the Yearに選ばれたジェームス・カークランドvs石田順裕を取り上げましたが、この試合もUpset of the Yearに選ばれた試合です。


小林 弘(26)

これまでの戦績:61勝(10KO)8敗4引分

1963.08.19 デビュー後19連勝で日本フェザー級王座に挑むも失敗。

1964.04.26 ノンタイトル戦で東洋フェザー級チャンピオン関光徳に判定勝ち、世界ランキング入り。

1964.09.28 日本王座獲得。その後7度防衛。

1967.12.14 WBA/WBC世界スーパーフェザー級王者「精密機械」沼田義明に挑戦、12RKO勝利で王座獲得。
 過去記事:【名勝負16】 沼田義明 vs 小林弘 ~ 1967.12.14 WBA・WBC世界ジュニアライト級タイトルマッチ

2度防衛後、WBCとWBAとの分裂によりWBC王座ははく奪されたが、WBA王座を6度防衛。

※ 5度目の防衛戦後、1970.12.03に、当時WBA世界フェザー級王者の西城正三とノンタイトルで対戦、2-1(48-46,48-49,49-46)で勝利している。

この試合が7度目の防衛戦。


アルフレド・マルカノ(24:ベネズエラ)

この試合までの戦績: 動画では32勝(22KO)6敗5引分(BoxRecでは33勝(21KO)8敗4引分)

この試合が、世界初挑戦。



小林は、クロスカウンターを得意とし卓越したディフェンスが持ち味の頭脳的なボクシングスタイルで、その玄人好みの技巧派ぶりと粘り強さから「雑草の男」と言われました。

ボクシング人気が最高潮だった昭和40年代に、当時の日本人最多防衛記録を打ち立て、漫画『あしたのジョー』のモデルとなったボクサーです。

マルカノは、小林に挑戦する前の9試合で4勝5敗と負けが込んでおり(ただし敗戦には、のちのWBC世界スーパーフェザー級王者リカルド・アルレドンド、のちのWBA世界フェザー級王者エルネスト・マルセル(2敗)が含まれている。)、戦前予想は小林が有利でした。

試合の模様はこちら↓
解説者は、1960年ローマオリンピックのフライ級銅メダリストで、プロでは王者になれる逸材と言われながら、世界挑戦を前に網膜剥離で無敗のまま引退した田辺清と、当時WBA世界フライ級王者で、1973年1月に交通事故で現役王者のままこの世を去った大場政夫です。



1R、重く伸びのあるマルカノのパンチが小林の顔面に何度もヒット。

2R以降、小林は、マルカノの強打に苦しみながらもカウンターで反撃。

6R、再びマルカノが攻勢、8Rには小林がボディからの連打で攻勢、一進一退の攻防が続く。

9R、小林が連打、マルカノはロープに釘づけとなりダウンを取られる。再開後、猛攻を仕掛ける小林に、マルカノの起死回生の右アッパーがヒット、小林ダウン。(解説はボディに入ったと言っているが、おそらく顎にクリーンヒットしたと思われる。)

10R、マルカノがダメージの残る小林に猛攻、2度のダウンを奪う。小林はなんとか立ち上がるが、再開後、足がもつれて倒れたところでセコンドからタオル投入。

マルカノの大逆転勝利。

かなり激しい打ち合いでめまぐるしく展開が変わるスリリングな試合でした。

9Rまでの採点は、3-0(43-42,43-41,43-40)で小林。
私の採点は、(採点法はこちら
無題



ちなみに、The Ring MagazineのUpset of the Yearに選ばれた試合を戦った日本人は、ファイティング原田、小林弘、上原康恒、石田順裕、比嘉大吾。

ファイティング原田は3試合、
1962.10.10 19歳で世界初挑戦、世界フライ級王者ポーン・キングピッチ(タイ)に11RKOで勝利し王座を獲得した試合、
1965.05.18 世界バンタム級王者「黄金のバンタム」エデル・ジョフレ(ブラジル)に15回判定勝利し王座を奪取した試合、
1968.02.27 5度目の防衛戦で、19歳の無名挑戦者ライオネル・ローズ(オーストラリア)に15回判定負けし王座陥落した試合
が選ばれています。

1971年は、小林弘vsアルフレド・マルカノ(ベネズエラ)。

1980年は、上原康恒が10度防衛中のWBA世界スーパーフェザー級王者サムエル・セラノ(プエルトリコ)に6RKO勝利した試合。

2018年は、比嘉大吾vsクリストファー・ロサレス(ニカラグア)が選ばれていますが、もし比嘉が万全であったなら妥当だとは思いますが、比嘉が体重オーバーでWBC世界フライ級王座を剥奪され、減量失敗の影響で試合内容は精彩を欠いていましたので、少し微妙ですね…。




 
 
 
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